PROYECTO: CONEJO /THE RABBIT PROJECT (ザ・ラビット・プロジェクト)
コンセプト・企画:
ダビット・ザンブラーノ(ベネズエラ/オランダ)
ダンス:
エルミス・マルコトシス(ギリシャ)、グスタボ・バロス(ブラジル) 、マティア・フェルィン(クロアチア)、ガボー・ヴァルガ(ハンガリー)、ガボー・ペータ(ハンガリー)、ジュジャ・ロジャヴォルギ(ハンガリー)、ウィリー・プラガー(ブルガリア)、ルーカス・コンドロ(アルゼンチン)、ミラン・ヘリッヒ(スロヴァキア)、ペーター・ヤスコ(スロヴァキア) 、カルメン・ラーラス(スペイン)、ライダ・アルダス・アリエッタ(スペイン)、クロエ・アトゥ(フランス)、吉原未央子(日本)、シッセル・メレテ・ビョルクリス(ノルウェー)、フェビヨン・スンドビー(ノルウェー)、ユジェニ・レベテス(スイス)
上演:
2003年7月25日、8月8日、22日  20:00-
会場:
DWA ( Danswerkplaats Amsterdam ), Arie Biemondstraat 107 B, アムステルダム
上演時間:
60-90分
ビデオ記録:
ヴィヴィアナ・ロドリゲス
写真記録:
アーニャ・ヒッツェンベルガー
ゲスト講師:
トム・コッホ(アレキサンダーテクニーク); ジェニファー・モンソン(インプロビゼーション)
サポート:
マット・フォールター
協賛:
アムステルダム芸術基金、DWA, ハンガリー文化庁、ブルガリア政府、ダビット・ザンブラーノ



ザ・ラビット・プロジェクトは、ダビット・ザンブラーノの呼びかけに、世界11カ国17人のダンサーが参加する6週間のコレオグラフィックリサーチプロジェクトである。(2003年7月14日―8月23日、アムステルダム)

月曜から金曜まで毎日8時間動き、2週間ごとにその進行過程を(合計3回)公開する。このリサーチにあたり、参加者は今まで一度も踊った、または動いたことがないかのように、“ゼロ”地点から始めることを求められる。そして、ザンブラーノは3年前に手をつけたものの、過密な教授・公演活動のため深く追究する時間のなかった振付法の探求を再開する。

この探求におけるザンブラーノの何よりの関心は、ウェブ形式におけるリーダーシップを呈する複雑なシステム力学の創造と展開にある。彼は、科学理論から細胞が新たな生命を創り出すのにプロテイン・リーダーを必要としないことを学び、同様に脳もプロテイン・リーダーなしで思考すると考える。この理論と私見をより大きな文脈に応用すると、われわれの住むこの世界はリーダーを必要とせず存在することができるといえはしないだろうか。この考えをダンス研究に応用することが可能なら、ひとりひとりのダンサーが集団全体の中で互いに関係を築きつつ、自発的かつ継続的に選択をしながら、誰がリードし誰が従うわけでもなく、同時に、誰もがリードし誰もが従う、異なる文化経験を実践行動において統合していくような振付法を開発してみたい。ダンスウェブ・コレオグラフィーの考案である。

2003年、ウィーン、インパルツダンスフェスティバルにおける講座Pro Series(プロ・シリーズ)指導の際, ダビット・ザンブラーノは身体的な観念として螺旋形を描く(スパイラリング:spiralling)をダンスに応用することでダンスウェブを構成するという観念をより容易に実現しうることを発見した。そこでは人々が、相手を通り過ぎたり、下をくぐったり、上を乗り越えたり、周りを回ったりということを楽々と行われていた。この考えを踏まえて、実際の身体研究により、ダンサーがダンスウェブ的経験を舞台上で創造するために自発的に使うことができる動きの理論を生成・発展することを目指したい。

以上の探求をより深めるため、彼は大変異なる文化、ダンスの教育を受けた17人のダンサーとともに、ここアムステルダムで6週間、踊り、動く。